伊406潜水艦





<要目>
排水量 5,370/6710t(水上/水中)   全長 122m  出力 7,700/2,400馬力(水上/水中)
最大速度 18.5/6.3ノット(水上/水中)  乗員 250名

兵装
連装50口径20.3cm砲 1基
三連装25mm機銃 2基
単装25mm機銃 1基
53.3cm魚雷発射管 8門
水上偵察機 1機


伊400型潜の改設計艦につき同型艦無し
 伊406潜は「海中空母」として建造された伊400型潜水艦の一隻である。伊400型は水上攻撃機機多数を搭載して敵国近くまで秘匿しつつ航行し、敵中枢を奇襲することを目的に建造された珍兵器だったが、攻撃目標がパナマ運河からキール運河へと変更され、最終的に計画そのものが中止された。さらに専用機として開発されるはずだった機体も開発中止となってしまった。そのため伊400型は全て改装が行われた。
 しかし伊400型潜水艦は運河への攻撃作戦が中止されるまでに全てが就役していたわけではなく、建造中の艦は就役済みの艦とは異なる改装が行われた。
 伊400潜他就役済みの艦は、搭載機を水上機から誘導噴進弾に変更され、改装は最小限ですんだのに対して建造中の艦のうち何隻かは大きく改設計されることになった。そのうちの一隻である伊406潜はヴィシーフランス海軍で運用されて大きな戦果を上げていたシェルクーフを参考として砲撃潜水艦として就役した。
 その搭載砲は重巡洋艦用の砲を改設計したものである。砲塔を整流効果、水密性を持たせたものに交換すると同時に、砲口閉鎖機を増設したものである。
 この砲そのものは優れた性能を持っていたが、砲撃潜水艦という設計コンセプトが時代遅れであったことは否めない。第二次欧洲大戦終結後に元艦長らの証言から、砲撃潜水艦としてではなく単に大型潜水艦としてシェルクーフが運用されていたことなどが明らかになると潜水艦隊内部からも失敗作の烙印が押されるようになっていた。
 また他の伊400型潜と比べると艦体からの突起物が多かった為に静粛性や潜水艦としての能力も劣っていた。
 伊406潜は日本海軍においては、砲撃潜水艦というよりもは搭載機スペースなどを兵員搭載スペースに割り当てて特務陸戦隊の母艦として運用された。そのため、水上偵察機一機を搭載するように書類は記載されているが、実際に運用したケースは少なかった。






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