コネチカット級戦艦





<要目>
基準排水量 39,800t 全長 230.0m 全幅 30.2m  蒸気タービン 出力 150,000馬力(4軸)
最大速度 30.0ノット  乗員 2000名
最大装甲厚 舷側 350o 19°傾斜  甲板 150o  主砲防盾 490mm  司令塔 440mm

兵装
三連装50口径16インチ砲 2基(SHS)
連装54口径5インチ砲 8基
四連装40mm機銃 15基


一番艦 コネチカット
二番艦 フロリダ
三番艦 カンザス
四番艦 ネブラスカ
五番艦 ジョージア
六番艦 ミシガン

 コネチカット級は米海軍がアラスカ級大型巡洋艦と、モンタナ級戦艦の「失敗」を受けて設計、建造した小型戦艦である。
 重巡洋艦級には威力過大で、戦艦級には威力不足であることが判明した30cm砲を登載したアラスカ級は言うに及ばず、パナマ運河を通過させるために船体がひどく細長くなってしまい、その結果復元力があまりにも低く主砲弾の散布界も広がってしまったモンタナ級も、米海軍としてはとても安心できる敵戦艦にぶつける戦力としては使用できなかった。
 それらの教訓を受けて、コネチカット級はアラスカ級と対して変わらない船体サイズ(排水量は一万トンほど増加)に、戦艦に通用する威力の16インチ砲を登載している。
 モンタナ級同様にパナマ運河を通過可能な船体幅ではあったが、全長を抑えた分安定性は増している。主砲散布界や舵反応性もL/D比が低い分良好だった。主砲に採用した50口径16インチ三連装砲塔はアイオワ級やモンタナ級で採用された米海軍新世代戦艦の標準砲ともいえるものである。
 砲塔は二基しか搭載されていないが、その分だけバイタルパートを縮めることが出来たたため、バイタルパートの装甲厚はこの排水量にもかかわらずモンタナ級と同等を保持している。

 次世代型の大型戦艦までのつなぎとして建造されるはずだったコネチカット級は、まともに砲戦が出来る戦艦として一挙に六隻もの大量建造が行われた。
 これは米海軍のコネチカット級への評価が高かったというよりも、戦力となる戦艦不足に直面していた米海軍の焦りによるものであると考えられる。この当時の米海軍は鈍足の旧式戦艦や問題を抱えた高速戦艦を除けば、安心して使える戦艦はサウスダコタ級とコネチカット級のみだと考えていたようだった。
 実際のアイオワ級やモンタナ級の戦歴を考えればあまりにも過小評価ではあるが、当時の米海軍の焦りを表すものではある。
 しかしながら小型とはいえ一挙に戦艦六隻を建造するのは米国でも大きな負担となったらしく、代わりにエセックス級の後期建造艦とデ・モイン級の四番艦以降の建造計画が凍結されていた。

 米海軍の期待を受けて投入されたコネチカット級六隻は太平洋戦争において常に最前線で奮戦したが、有力な日本海軍戦艦部隊の前に櫛の歯が欠けるように戦没し、終戦を洋上で迎えたのは一隻のみだった。
 しかしながら急増とも言える建造計画の小型戦艦でありながらも最後まで戦い抜いたコネチカット級戦艦への評価は高かった。
 






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